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医療モールの4つのデメリットと6つのメリット

医療モールのメリットデメリットについて、気になっていませんか?

医療モールには唯一無二のメリットがあります。うまく使いこなすことができれば独立開業時における様々なリスクを低減できるでしょう。

本記事では医療モールに出店するときのメリットについて、さまざまな観点から紹介していきます。見逃してはならないデメリットについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも医療モールとは

そもそも「医療モール」とは何なのでしょうか。まずは医療モールが増えてきた背景とともに、基礎知識を紹介していきましょう。

なお、医療モールについてある程度ご存知の方や、メリット・デメリットについて先に知りたい方は飛ばしてもらって構いません。

医療モールはショッピングモールと似ている

ショッピングモールにはアパレルショップもあればおもちゃ屋さんもあり、映画館・日用品雑貨店などが集まっています。

医療モールの場合は、内科・小児科・眼科など様々なものが揃っており、性質としてはショッピングモールに似ています。

医療モールは患者にとって便利なだけでなく、医師にとっても経営や医療サービスの面で多くのメリットがあります。

医療モールの背景

昨今の日本は患者の数(医療費)が増え続けているのに、病院や病床の数が足りていません。

平成30年度の国民医療費は43兆3,949億円、前年度の43兆710億円に比べ3,239億円、0.8%の増加となっている。人口一人当たりの国民医療費は34万3,200円、前年度の33万9,900円に比べ3,300円、1.0%の増加となっている。国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は7.91%(前年度7.87%)、国民所得(NI)に対する比率は10.73%(同10.74%)となっている。

引用元:厚生労働省「国民医療費の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/18/dl/kekka.pdf

最新の統計をみてわかるように、患者の数、つまり医療費はふえています。では、病院や病床の数はどうでしょうか。

「病院」は 8,300 施設で、前年に比べ 72 施設減少しており、「一般診療所」は 102,616 施設で511 施設増加、「歯科診療所」は 68,500 施設で 113 施設減少している。施設数を施設の種類別にみると、「精神科病院」は 1,054 施設で、前年に比べ 4 施設減少、「一般病院」は 7,246 施設で、68 施設減少している。

一般病院のうち「療養病床を有する病院」は 3,662 施設(病院総数の 44.1%)で、前年に比べ74 施設減少している。

一般診療所は「有床」が 6,644 施設(一般診療所総数の 6.5%)で、前年に比べ 290 施設減少し、このうち「療養病床を有する一般診療所」は 780 施設で、前年に比べ 67 施設減少している。

引用元:厚生労働省「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/19/dl/02sisetu01.pdf.

このように病院や病床の数は減少傾向にあります。

このような「病院の数が足りない」という問題を解決するためにひと役買っているのが医療モールなのです。

医療モールができれば病院の数は増えますし、看護師などの医療従事者の働き口も増えます。

【3つの切り口で解説】医療モールに出店することのメリット

ここまでは医療モールとは何なのかという基礎知識について紹介しました。

ここからは本題とも言うべき「医療モールに出店するメリット」について紹介しましょう。

医療モールには多数のメリットがあり、大きく分類すると以下のような3つの切り口に分けることができます。

  • 集客に関するメリット
  • 運営に関するメリット
  • ノウハウに関するメリット

ではそれぞれのメリットについて、解説していきましょう。

集客に関するメリット

最初から多くの患者を集められる

独立開業を検討する際、開業してすぐにどれだけの患者を集められるかが気になっている方は多いと思います。医療モールであれば、満足いく集客を最初から手に入れることができることでしょう。

医療モールのオープンは、地域住民の注目を集めるため、重要なイベントになります。通常の独立開業にくらべて、圧倒的なスタートダッシュをきめることができるでしょう。

また、医療モール全体のイベントとして健康相談会や健康講演会などを開催することも多く、開業時から集客に苦戦する可能性がかなり低いです。

個人的な広告をしなくてもよい

個人として独立開業した場合、折り込みチラシを入れたり、地域のフリーペーパーに入稿したり、看板をつくったりと様々な広告活動をしなければいけません。

多大な広告宣伝費を自ら賄うわけですから、大きなリスクを独立開業時から背負うことになるでしょう。

一方、医療モールの場合はモール運営側が告知をしてくれる上に、モールがオープンすることそのものが地域住民の注目を集めるため、広告効果は抜群です。

自ら広告宣伝費を自分で払わなくても人が集まるため、開業時の集客コストを削減することができます。

運営に関するメリット

資金計画がラクになる

どのくらいのお金を用意すればいいのか、どこから調達すればいいのかなど、資金計画や資金調達について悩む方は多いです。独立を志す医師にとって、お金の準備は最初のハードルといえるでしょう。

金融機関からお金を借りるためには、担保だけではなく、しっかりとしたビジネスプランが必要ですが、医療モールに出店して開業する場合、専門のコンサルタントが資金計画から事業計画までしっかりとチェックしてくれます。

金融機関からお金を引き出すことも楽になるでしょうし、最初からしっかりとした資金計画が組まれているので運営に対する不安・心配などのストレスを軽減できます。

開業計画そのものの確度も上がるので、独立が失敗するリスクも軽減できることでしょう。

設備の経済的負担をできる

医療モールに出店すれば、駐車場・待合室・トイレなどの設備を共有できるので、設備設立費用を軽減できます。また、モールの構造がシンプルになり、導線が分かりやすくなるので、患者にとって快適で便利な施設になります。独立開業する医者の懐にも優しく、患者にも優しいため、正しく一石二鳥と言えるのではないでしょうか。

ノウハウに関するメリット

相談できる仲間ができる

多くの開業医が医療モールに出店するため、「仲間」ともいえる開業医のつながりができます。「どうすれば質の高い医療を提供できるのか」という志のもとに仲間とやりとりをして、安心感や連帯感を得ることができるでしょう。

開業時にスタッフとのコミュニケーションがうまくいかないこともあるかもしれませんが、そのようなときには、同じ医療モールで開業した仲間にに相談できます。「仲間がいる」という心強さは、医療モールならではの強みです。

多数のクリニックと情報共有できる

仮に医療モール内の別クリニックに紹介する時、それぞれの開業医が相互に連絡を取り合い、患者データを共有することが簡単にできます。

患者からしてみると「また同じことを説明しなければならないのか」というのは、大きなストレスです。

しかし、病院側が今までのやりとりや状況を把握していると、このようなストレスを感じることがありません。結果的に医療モールそのものの評価アップにもつながるため、大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

医療モールにはデメリットもある

ここまでは医療モールのメリットについて紹介しました。一般的な独立開業とは違う魅力的なメリットがあったのではないでしょうか。

しかし、物事には表と裏があります。医療モールにもメリットだけではなくデメリットもあることを忘れてはいけません。

これを知っておかなければ後で「もっと先に知っておきたかった」と後悔することになるでしょう。

以下に紹介するデメリットをしっかりと知って、医療モールに出店するかどうかの判断材料としてください。

医療モール内の評判は「一蓮托生」

各クリニックの評判は、同じ医療モールで営業しているすべてのクリニックの評判に影響を与える可能性があります。自分が評価の高い医療サービスを提供していたとしても、他のクリニックの評判が悪いと集客に悪影響が出るかもしれないのです。

ショッピングモールの場合、どこか1つのショップがの接客態度が悪いからと言って、モール全体の評判が落ちるわけではありません。

しかし医療の場合、ショッピングと違って、口コミは非常にデリケートです。「あのクリニックの評価が悪いのであれば、同じモールにあるクリニックはすべて良くないところなのかもしれない」と思うのは不自然ではありません。

医療モール内の評判は「一蓮托生」と考え、どのクリニックも質の高い医療サービスを提供し続ける努力と覚悟が必要です。

立地の影響力からは逃れられない

医療モールは「立地が悪いために患者があまり来ない」などのリスクや問題も少なからず考えられます。医療モール運営やサポート会社も綿密な立地・医療エリア調査を行い、最適な施設を選定してはいます。 しかし、完全に信用するのは少々リスクが高いです。立地の影響力などを知っている地元や、独立前の勤務地の近くなどを医療モールの場所として選ぶことでこれらのリスクは軽減されます。

駐車スペースが少ないと失敗のリスクが高まる

医療モールが郊外にあったり、駅から離れていたりする場合は、十分な駐車スペースがあるかが非常に重要です。駐車場がなければ、ご家族が患者を車で連れてこれないなど、日々の通院に関するハードルが一気に高まってしまいます。すぐに駐車場が満車になり、それが長時間続くというのも問題です。

このような駐車スペースが少ない医療モールは、患者の利便性が落ちてしまうため、集客がうまくいかず失敗してしまいます。

医療モールに出店するのであれば、十分な駐車場を確保してくれているかどうかを必ず確認しましょう。

もちろん医療モール運営側も、クリニックまでの交通経路を分析し、最適な駐車場を確保するよう努力はしてくれます。さらに時間予約システムを導入し、駐車場が長時間満車にならないような仕組みも取り入れてくれるはずです。

ただし、すべてを鵜呑みにするのではなく、どれくらいの駐車場を確保しているのか、患者のストレスになるような状況にはならないのかといった事前確認は必要です。

調剤薬局ですべてが台無しになることもある

待ち時間別にみると、「15分未満」の「満足」が47.9%となっており、「1時間以上1時間30分未満」以降では、「不満」が5割を超えている。病院の種類別にみても、いずれも待ち時間が長いほど「不満」が多くなっている。同じ待ち時間では小病院、療養病床を有する病院において「不満」が少ない傾向が見られる。

引用元:厚生労働省「受療行動調査の概要(確定)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/05/kekka2.html

このように、相応の時間を待たせてしまうと、患者は「不満」を覚えます。クリニックが待ち時間を短縮する対策をとっていたとしても、調剤薬局の待ち時間が長いと、患者は「クリニックの待ち時間が長い」と感じてしまうかもしれません。

つまりは、待たせたのは調剤薬局なのに「あのクリニックは待ち時間が長い」「あの医療モールに行くとかなり待たされる」と思われてしまう可能性があるのです。

だからこそ、医療モール内に出店する際は、調剤薬局は何人ぐらいの患者を回せるのかを事前に確認しておきましょう。

また、医療モール内だけではなく、近隣の調剤薬局がどれぐらいの近さにあるのか、調剤薬局の仕組みを導入しているドラッグストアが近くにあるのかなどは、きちんと確認しておいた方が良いです。

【最後に】医療モールに出店すべき人とは?

今回は医療モールに出店するメリットとデメリットについて紹介しました。メリットを改めて挙げますと以下の通りになります。

  • 最初から多くの患者を集められる
  • 個人的な広告をしなくてもよい
  • 資金計画がラクになる
  • 設備の経済的負担をできる
  • 相談できる仲間ができる
  • 多数のクリニックと情報共有できる

そして、見逃してはいけないデメリットは以下の通りです。

● 医療モール内の評判は「一蓮托生」
● 立地の影響力からは逃れられない
● 駐車スペースが少ないと失敗のリスクが高まる
● 調剤薬局ですべてが台無しになることもある

これらを踏まえた上で医療モールに出店すべき人は「独立開業してすぐにスタートダッシュを切りたい人」と言えるでしょう。
資金計画を整えてくれる、仲間とのコミュニケーションが取れるなどのメリットは専門のコンサルタントに頼んだり、知り合いがいたりすれば互換が効くメリットです。
しかし最初から多くのお客様を確実に集められるのは、医療モールがもつ大きなメリットといえます。なかなか互換が効ません。
確実にお客さんを集めて、早い段階からリピーター客をつかみたいと思うのであれば、ぜひ医療モールに出店してみて下さい。

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